税務署のスタンス

「税務署のスタンス」

さて、いろんな経理関係の本(個人事業主向け)を読むとわかりますが、これこれこういうケースの場合、税金についての考え方はどうなるんだろう、なんて疑問にスパッと解説しているものは非常に
少ないものです。

悩ましいのが、アフィリエイト収入の考え方。

各ASPのサイトの説明を読むと、どこも決まって同じような言い回し。


「税務署にお問合せ下さい」


まぁ、確かに、人によって状況は変わりますし、考え方もまちまちですから、いちいち「このケースではこの処理が正しい」なんてことは出来ないわけです。

だから「税務署に聞いて」ってことになるわけですね。

■答えはつねに曖昧模糊

そこでためしにある取引について税務署に問合せてみたとします。

では例として、現金収入ではない楽天ポイント。
楽天アフィリエイトで貯めた楽天ポイントの処理の仕方はどうなるのか?

東京のとある税務署に電話してみましょう。
(以下、架空の会話)


質問:「アフィリエイト収入の売上計上についてお聞きしたいのですが」

国税:「どのような内容ですか?」

質問:「報酬が現金ではなくポイントでもらえるんです。これはやはり個人事業の売上にしなければなりませんか?」

国税:「はい、売上にして処理してください。」


しかし、ある日あなたはネット上で同じ疑問を持つ人の体験談を目にします。
なんと、そこには、別の税務署での回答があり、「ポイント獲得なら現金回収と言うわけではないので何も処理する必要なし」との内容が。


てなわけで、税務署も、ところ変われば(担当者が変われば)回答の内容もかわる可能性があるわけです。
いやはや、なんとも歯がゆい。

■しかし、税務署は手ごわい

なんてったって、税務署はいわゆるオーソリティ、つまりお上の権限があるわけですから、税務調査が入った日には大変なことです。
いろいろと資料を調べられますし、少しでもおかしな取引があろうものなら、追徴課税されかねません。

税務署に問い合わせたことすらコロコロ変わり得るのに、取立てにはシビアなんです。

しかし、もしも過去に税務署に問い合わせた経緯があり、その内容に沿った処理を続けていたとしたら怖いことはありません。
そのときの問い合わせ内容・問合せた日時・対応した担当者・回答、など
を控えておけば大丈夫でしょう。

また、あやふやな部分については、自分なりの回答を準備しておくことが望ましいです。


たとえば、グーグルのアドセンス収入はドル建てで確定し、実際の円での入金は翌月になりますが、

「為替の計算でどのレートを使うのか不明だし金額も少額だったので実際の入金をもって売上としていました」

とか、それなりの理論武装(ってほど大げさなものでなくてもいいのですが)をしておけば、いいんです。

もしそれが間違っている、と解釈された場合、

「では正しい処理を教えてください」

という姿勢で臨めば、キチンと応対してくれます。


(ちなみに、上のアドセンスの例は、私が実際に税務署職員に尋ねたところ、この方法で問題ない、と言われました。金額が10万円未満と少額だし、問題なし、とされたのかもしれません。ただし、税
務署の職員が変われば回答は変わる可能性があります。)


■税務署は怖くない

ひとつ忘れてはならないことがあります。
税務署で働いている人は、公務員、つまり私達の税金によって給料を得ている、ということです。
つまり、納税者である私達には、それなりのサービスを提供する義務があるということです。

なので、なんでも尋ねてみましょう。
タックスアンサーに、電話してみましょう。
怖くありませんよ。

タックスアンサー
http://www.taxanswer.nta.go.jp/index2.htm

税務相談室(最寄の税務署の電話番号)
http://www.taxanswer.nta.go.jp/9200.htm

■おまけ あすきっと的解釈「楽天ポイント」

例として楽天ポイントについて、考えてみます。
これは、現金ではなく、ポイントとして報酬がもらえるというものですね。
もちろん、かなり稼ぐ人は現金でもらえるらしいですが。


これについて、2つの考え方があります。

1)楽天ポイントは、売上である

2)楽天ポイントは、売上ではない

はじめに私の考えを述べます。
1)の売上である、が正しいと思われます(あくまでも個人の意見)。


まずその前に、2)の売上ではないとする考えの背景を説明しましょう。

楽天ポイントは、あくまでもポイントであり、使わなければいつかは期限到来でポイントが失効する可能性があります。つまり、現金と同等、とはとらえられない、という考えです。
これは流通大手の会社が採用しているポイント会員制全てにあてはまります。

家電量販店のポイントカードがいい例で、もしこの手のポイントを課税対象にしてしまうと、ビッグカメラやヨドバシカメラのポイントをもつ顧客名簿が、税務署職員によって調査されることになります。

実際これはありえません。

ポイントではなく、商品券などの現金等価物をもらうのであれば、それは売上にすべきでしょう。
もし、楽天アフィリエイトで現金としてもらっている人(相当稼いでいる人ですね)は、いわずもがな、売上にしないといけませんが。


つまり、ここまでの議論で言えば、楽天ポイントは売上ではない。


しかし、私はそうともいえない、と考えます。


楽天ポイントを獲得する、ということは、自分のサイトを持っていて、そこから閲覧者が楽天で買い物をしたということですね。
つまり、楽天ポイントを獲得する背景には、サイトを維持しているコストがかかっている、ということなのです。ここが、家電量販店のポイント制と違うところです。

コストが明確なのに、楽天ポイントという、売上かどうかもわからないが、サイト運営者にとってなんらかの利益になっているという事実があるとき、、、税の観点から見れば


  利益を過少にしている


と見られなくは無いわけです。
経費があるのに、売上が計上されないわけですからね。
(これは以前紹介した「費用と収益の関係」に書いた基本原則)

で、悩ましいのが、このポイント、現金等価物ではないという点。
しかし、確実に、現金に限りなく近くなる瞬間があります。

ポイントを使って買い物をしたときです。
その瞬間は、売上が実現した、と考えてもいいわけです。
これなら、費用と収益が対応することになります。
もちろん、ポイント交換という事実が無い間は何も処理しない、で結構でしょう。
ポイント交換は、できるだけ事業に使うものを楽天で購入し、領収書を書いてもらいましょう。


つまり、

・楽天ポイントを稼ぐことが出来ているのは、サイト運営維持費用、というコストのため
・ポイント交換しない間は、売上を確定できない。
・ポイント交換により、現金等価物に限りなく近づくため、売上認識が可能
・ポイント交換の際、なるべく事業に使うもの(私はいつもプリンタのインクカートリッジ)を買い、領収書をショップに書いてもらいます)
・仕訳は、こんな感じ
     ↓
 借方 事務用品費 100円  / 貸方 売上 100円


ま、これなら結局利益に変動はないし、税務署も文句は言わないでしょう。


一番いいのは、現金でアフィリエイト収入を楽天からもらえるレベルになることですよ。


■まとめ

 ・税務署のタックスアンサーを活用しよう。
 ・ある程度の理論武装をしていれば怖くない。
 ・楽天ポイントは売上が基本と考える(あくまでも個人の解釈)

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